ocean and a mountain

ことの発端

時々働いているコーディングブートキャンプのケープタウン校が、直近で先生を探していると Slack に流れてきたので、どうせ無職みたいなもんだし、やってみようと手を上げました。本当にすぐに先生がほしいらしく、2 週間後に始まるクラスの最初の 3 週間のコマを受諾しました。フライトは会社持ち、宿泊はマネージャーの実家というなんとも自転車操業っぷり満載ですが、お金をもらって南アフリカに行けるなら何でも良いや、という軽い気持ちで行くことにしました。

追記: 3 週間先生をやって、一回バルセロナに帰ったものの、また先生が必要だということで、更に 3 週間後くらいにケープタウンに戻ることになりました。この文章をダラダラ書いている途中でまたケープタウンに来たので、その時の経験もまとめて書きました。ケープタウンに合計 1 ヶ月ちょいくらいは居たことになりますね。

旅の準備。というかブラックフライデーで買ったカバンの自慢。

以前、仕事でマドリードに行った際に、自分の持っていたカバンの小ささを感じ、もっと大きくて利便性の高いリュックが欲しい!とずっと思っていました。探しているうちに、Tropicfeel の Shell というかばんが良さそうと目をつけ、ブラックフライデーのセールもあり、2 回目のマドリード出張の直前に衝動買いしました。結局、マドリードの仕事までには間に合わず、今回がこのかばんとの旅行デビューになります。1 月は、南アフリカではもちろん夏なので、持っていく服自体は少なめでした。ただ、一緒に買った服のコンプレッサー兼ミニクローゼットを使ったり、カバンの下に隠れている靴収納袋など、とても旅行に便利なカバンだなと感心しました。買ってよかった。-> リファーラルリンク。このカバンひとつで 1 週間分の服と、サンダル、ラップトップもろもろを持っていけるので、とても便利です。最近、新バージョンが出たらしく、それもほしい…

tropicfeel shell

到着。そして衝撃

カタールを経由して、ほぼ一日かけてケープタウンに到着。マネージャーが車で迎えに来てくれました。最初に驚いたのは、彼が裸足だということ。速攻で、「南アフリカの人はみんな裸足なの」とググりました。結果、子供のときは結構みんな裸足生活らしく、稀に大人になっても裸足の人がいるらしいです。確かに、たまに裸足の子供を何人か見かける機会がありました。私も、つられたのか、最終的に裸足でちょっと外を歩くのに抵抗がなくなりました。意外と開放的。

ryan bare foot

着いてから、とりあえず自然のスケールにびっくりしました。バルセロナも一つの街に海と山があると謳っていますが、ケープタウンはそれを 20 倍にしたスケール感でした。テーブル・マウンテンはとてつもなく大きしい、ビーチも終りが見えないし、波も大きしい、行く先々で景色の綺麗さに驚かされました。

良かったところ

ほとんど仕事ばっかしてましたが、そんな話してもしょうがないので、ケープタウンの良かったところを書いていきます。

サーフィン 🏄‍♂️

サーフィンデビューしました。水泳をやっていたので、ベタベタするし泳ぎにくい海はあんまり好きではありませんでした。でも、ケープタウンのビーチは桁違いで綺麗だし、とにかく大きくて開放的。真夏ということもあったので、初日からマネージャーに勧められてサーフレッスンを取ることにしました。行ったところは、一番サーフィンしやすいビーチだという Muizenberg。Surf Emporiumというビーチの目の前のお店でレッスンを予約しました。その日は偶然空いてましたが、その後レッスンを取ろうとしたら、当日はいっぱいだったりと、メジャーなところらしいので、事前予約をおすすめします。レッスン自体は 1 on 1 で、ウェットスーツとボードレンタルを含めて、90 分で R480(大体 3500 円くらい)。最初はもちろん難しかったですが、徐々にコツを掴んで、何回か立ち上がることもでき、波に乗ってる気分を味わえました。

その後も、サーフィンしたい欲が出てきて、5,6 回はサーフィンに行きました。もっと小さい頃から触れておきたかったですね。

Surf Emporium のレッスンも悪くなかったですが、その後紹介してもらった Bennett というお兄さんが個人でやってる Soft Surf School というスクールで、二回レッスンを受けました。友達と一緒に行けば、Surf Emporium よりもお得にグループレッスンが受けられますし、何より教え方がとても上手でした。レッスンの日の波が良かったのもありますが、上達をすぐに感じられるようなレッスンでした。レッスンをしながら Go Pro で動画を撮影してくれて、後で動画を送ってくれるというサービスがいいところもおすすめです。

クラフトジン 🥃

今まで、ジンを飲んでこなかったのですが、ケープタウンはクラフトジンが盛んらしく、勧められて飲んでいるうちに好きになりました。町中にいくつか蒸留所があり、行く機会はありませんでしたが、見学やテイスティングをしているところもあるそうです。スーパーなんかに行くと、トニックだけで何種類も置いてあったり、ジンに対する熱が伝わってきました。

個人的に楽しかったのは、Water Front という地区にある Gin Emporium というお店と、CBD (Central Business District) にある The Gin Bar が良かったです。前者は、テーブルマウンテンを眺めながら、ときには港に住んでいるアザラシを見ながら、ジンを楽しむことができます。後者は名の通りジンをたくさん用意しているバーで、数え切れないほどの国内外のジンを揃えています。内装もおしゃれで、良かったです。

gin emporium

Churchhaven 🦩

マネージャーの実家が大変なお金持ちで、ケープタウンから北に車で 1 時間半のところにある Churchhaven という村に別荘を持っているということで、週末に連れて行ってもらいました。West Coast National Park の中に位置する漁村で、半島によって潟になっているところに位置しています。筆舌に尽くしがたい程、静かで綺麗なところでした。水や電気は通っていないので、雨水や海の水を貯めたものを使用し、電気も太陽光発電で充電したバッテリーから引っ張ってくるような生活が当たり前だそうです。夜は庭でバーベキューをして、きれいな星空を眺めながらワインを飲んだりしました。この場所は所謂 Gated community のようなところなので、物件を所持していない場合の出入りがどれほど簡単なのかはわかりかねますが、聞いたところによると、Airbnb も何軒かあるらしいです。あと、村から離れたところにボートハウスも貸し出しをしているそうです。ゆっくりとした週末を過ごしたい場合は、とてもおすすめです。

church haven
church haven morning
church haven morning

ビルトング 🐮

これは来る前から食べたかったもので、ビーフジャーキーのようなんですが、それよりも更に美味しいお肉料理です。南アフリカ出身のコメディアン、Trevor Noah が、どこかで見た動画で、ビーフジャーキーとは比べ物にならないくらいうまいと言っていたので、それ以降、ずっと食べたいと思っていました。南アフリカではガソリンスタンド、スーパー、レストランなど、どこにでも売っていて、簡単に手に入れることがで来ます。お肉も、ビーフが一番見かけますが、ダチョウ、オリックス、シカなど、いろんな種類のお肉でも楽しめます。個人的に一番良かったのはオリックス(Gemsbok)です。カッラカラに乾いたやつと、少し湿気が残っているやつと、味付けが違ったりと、色々と試してみるといいと思います。あと、一緒によく売ってあるのが Droëwors というサラミのような肉料理です。これも肉を味付けして、加工して乾かしたという点では一緒ですが、味に深みがあって、これもおすすめです。

古着 👕

あまりファッショナブルな人間ではありませんが、泊まっていた Observatory という街にたくさん古着屋さんがあったので、柄にもなく柄物のシャツや短パンをいくつか買いました。安いし、たくさんあるし、もうちょっと買いたかったかも。ビーチに似合ったコーデが揃いました。

悪かったところ(と言っても、いいところとも捉えられる)

もちろん、いいところばかりではありません。

交通の便 🚋

移動はほぼ全て車でした。最初の方はマネージャーが車でいろんなところに連れていってくれましたが、忙しくなってからは、自分で Uber を呼ぶくらいしか自由に移動できないのが少しストレスフルでした。幸いなことに、物価と賃金が安いことから、Uber であっても、街中に行くのは R50~100(350~700 円)程度で事足ります。最初は少しケチっていましたが、東京で電車に乗るくらいの出費でドアツードアで移動ができると思えば、まだいいのかなと思うようにもなりました。Uber 以外にも Bolt が進出してて、どちらか安い方で移動していました。二人組とかだと安くなって気兼ねなく乗れると思います。それか自分がケチなだけか。

残念なのは電車があるのに発達していないこと。Muizenberg や Simon’s Town など、観光客がよく行く半島の南の方に伸びる電車に一度乗りました。来た当初は白人の生徒たちに電車移動はどうかと聞くと、危ないし汚いと勧められはしませんでしたが、公共交通機関大好きな人間としては、一度は試してみないとと思い、Muizenberg から Observatory に帰る際に電車に乗ってみました。チケットは Uber で行ったら片道 R120(約 900 円)くらいかかるところを R9(約 60 円ちょい)と激安です。ですが、電車は 1 時間に 1 度位しか来ないし、駅の間で断続的に止まったりするので遅いし(車 + 30 分)、とても便利とは言えませんでした。ですが、みんなが言うような汚さはなく、何ならバルセロナの電車よりキレイでした。危険性も特には感じないし、感じるのは「何だこのアジア人、珍しいな」みたいなみんなの視線くらいです。あまり急いでない際に乗る分には全然ありかと思いますが、観光のためにリライアブルに使えるとは到底言えないですね。

train in muizenberg

計画停電 💡

南アフリカでは毎日停電があります。国営の電力会社 Eskom が資金をうまく使っていないので、施設の老朽化などが酷く、需要に耐えられないそうです。毎日、地区ごとに断片的に停電をしてなんとか賄っているそうです。停電の長さは、電気が足りてないレベルにもよりますが、僕が居た間は、大体一日に 2 時間の停電が一回だけある事が多かったです。何時に停電するかはアプリが教えてくれて、日によって朝の寝てる時間だったり、昼のエアコンを使いたい時間に停電して死にそうになったり、夜停電して真っ暗で何も見えなかったりなど、色々と不便なこともあります。お店ももちろん停電するので、ホットサンドを頼んでも「ごめん温められない」と言われたり、揚げ物を頼んでもフライヤーが使えないからキャンセルされたり、少しがっかりすることもありました。でも、人っていうのは面白いもので、2 週間もすれば、いつ停電が来ても普通に生活できる様になりました。

また、毎日停電するので、どの家やお店でもキャンドルが必需品となっています。おかげで、レストランなんかに行くとお店の電気は消えていて、店内を照らしているのは各テーブルのキャンドルだけみたいなところが多くあります。これが雰囲気を醸し出してくれて、不便の中にも良さがあるなと、少し感じました。家での食事も、庭のテーブルでキャンドルに照らされて食べるだけで(というかそれ以外手段がない)少しおしゃれな気分になれます。

candles on the table

治安 👮

アメリカみたいに誰か撃たれたみたいなことがしょっちゅうあるわけではありませんが、貧困やホームレス問題がひどいのもあって、窃盗が多いそうです。多いそうと言うか、滞在している間で 3 件周りの人が物を盗まれてました。最初はマネージャーのラップトップ。ブートキャンプで無料セミナーを開催した際に、参加者の一人がテーブルに置いていたマックブックを盗んでいったそうです。このマックブックは紆余曲折を経て、なんとかマネージャーの手元に戻ってきました。これは盗人が計画的にやったのではなく、その場の思いつきでやったことが不幸中の幸いだったのかもしれません。

二件目もそのマネージャー。今度は友人に借りていたラップトップ、スピーカー、財布、車の鍵など色々と入ったバッグをビーチで盗まれていました。バッグを地面に置いて遠くを見て電話している間に気づいたらバッグがなくなっていたそうです。これは警察に届け出ても、たらい回しにされるだけで、一向に進展はなかったそうです。

三件目は、同僚でした。夜寝ている間に、家の前に停めてあった車がそっくりそのまま盗まれてしまいました。鍵もなくよく盗めたなと、感心してしまうくらいです。でも、彼女いわく、前持っていた車も盗まれて無くしたそうです。その時は、なんだかんだ保険金が入ってきたし、売ろうと思ってたからちょうどよかったと言っていたので、今回もそこまで気にしてはいなさそうでした。よくあるんでしょうね。

周りにこれだけ災難が起きていても、自分には特に危険に思うようなことは起きませんでした。とりあえず身の回りに目を配って、戸締まり等をしっかりすれば安全なんじゃないでしょうか。

総じて

トントン拍子で来ることが決まって、気づいたらまだ 3 月なのに、今年 2 回も南アフリカに来ていました。でも、家が一番ということで、しばらくの間は南アフリカはいいかなと思っています。でも、もし呼ばれたらまた行くかも。